余命三年時事日記著者紹介More最終更新: 18時間前4-2-3 必要性、合理性の主張関連(1)綱紀委員会の調査の前置の制度趣旨 被告弁護士会は、懲戒請求者の個人情報を対象弁護士に流すことは「必要性・合理性がある手続きである」旨を主張する(甲34の14頁イ)。その論旨は全く不明確だが、対象弁護士に負担や不利益が及ぶから濫用的な懲戒請求を抑制する必要性のことを言っているのかも知れない。 しかし、そのために綱紀委員会の調査が前置されているのである。 弁護士法案を可決した国会で、制度趣旨の説明がなされている。曰く「現行法においては弁護士の懲戒裁判がありますが、これを廃止して、弁護士会内に懲戒委員会を設けました。弁護士に非行があった場合には何人も懲戒の請求をなすことができることにして、國民に対する責任追及にこたえることとしたのであります。その反面、みだりに懲戒請求の弊を防止するため、綱紀委員会の調査の結果に基き懲戒委員会を開くことにいたしたのであります。」(甲1、官報 第五回國会衆議院会議録第二十六号。) 綱紀委員会を前置することによる弊害の防止については、最高裁平成23年7月15日判決(橋下徹氏VS光市母子殺害被告弁護団)の竹内行夫裁判官の補足意見でも重ねて説かれている(甲35の4~5頁)。 したがって、弊害のおそれは綱紀委員会が適切に「ふるい」の役割を果たせば防止できるのであるから、弊害のおそれがあることを理由に、懲戒請求者の住所氏名をいきなり対象弁護士に通知する必要があると言うことはできない。(2)10年前に可能だった会規改正 今日、マスメディアやインターネットの発達により、弁護士に関する情報を多数人が瞬時に共有することが出来、このような大量懲戒請求がありえることは、前記最高裁平成23年判決の橋下徹氏と光市事件弁護団の事件によって、早くからわかっていたことである。同事件で弁護団に対する懲戒請求が広島弁護士会に殺到したのが平成19年、一審判決は平成20年である。つまり10年も前である。その時に適切に会規を改正しておけば、今回のように一般の懲戒請求者が、対象弁護士から逆恨みされ提訴されて多大な損害をこうむることはなかった。 被告弁護士会は、適時適切に会規を改正するなどして、懲戒請求者と対象弁護士の双方を保護するよう、綱紀委員会の制度趣旨にかなう運用をすべきであ
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